不妊鍼灸の実力

中国では、王位継承のため、はるか昔から不妊に対する鍼灸治療の研究に力が注がれてきました。現代では、西洋医学が進歩するにつれ、東洋医学の理論の正しさが証明されることとなり、欧米の医療先進国においても、国を挙げてますます鍼灸治療に熱い視線が注がれています。実際、近年の主だった研究発表だけでも以下のような報告があります。

全日本鍼灸学会での報告より(2001年 中日新聞)

子宮内膜の問題を抱える患者にはり治療を行った場合の妊娠率(対象:57人)

子宮内膜の厚さが基準値に改善 31人(54.4%)
妊娠(凍結胚移植) 14人(24.6%)

不定愁訴のある原因不明の不妊症患者にはり治療を行った場合の妊娠率
(対象:24人)

頭痛や肩こりなどの不定愁訴の改善 19人(79%)
妊娠 7人(29.2%)

竹内病院トヨタ不妊センターと明生鍼灸院の研究グループの報告。

子宮内膜の薄さが原因で、2年以上不妊治療を受け、体外受精などの高度生殖医療も3回以上行ったにもかかわらず妊娠できなかった女性患者(平均年齢34.7歳)57人に6ヶ月以上鍼灸治療を実施した結果、14人が妊娠。

月経異常や頭痛、肩こりなどの症状はあるものの、不妊症の原因が不明の女性患者(平均年齢35.2歳)24人へ鍼灸治療を実施した結果、7人が妊娠。

アメリカの生殖医療学会誌より(2002年 読売新聞)

体外受精時のはり治療の有無による妊娠率の違い
(対象:160人)

はり治療なし 26.3%
はり治療あり 42.5%(+16.2%)

ドイツと中国の研究チームの報告。
受精卵を子宮に戻す前後で鍼治療を行った群とそうでない群の妊娠率を比較した。

体外受精の妊娠率は良くて3割程度と言われる中、はり治療によって大きく妊娠率が改善した。

日本生殖医学会での報告より(2006年 読売新聞)

体外受精で5回以上失敗している女性にはり治療をした場合の妊娠率
(対象:114人)

自然妊娠 4人(3.5%)
体外受精による妊娠 45人(39.5%)
※うち30人は治療後1回目の体外受精で成功
合計 49人(43%)

明治鍼灸大と明生鍼灸院の研究グループの報告。
過去5回以上体外受精を行なっても一度も妊娠できなかった女性に対し、はり治療を実施した場合の妊娠率を検証した。

治療は週に1~2回で、お腹や足などのツボを鍼で刺激した結果、4割以上が妊娠した。

アメリカの生殖医学会より(2006年 デンマークからの発表)

体外受精や顕微授精で胚移植日に鍼灸治療をした場合の妊娠率について
(対象:273人)

鍼灸治療なし 22%
鍼灸治療あり 36%(+14%)

アメリカの生殖医療学会誌より(2006年ドイツからの発表)

体外受精や顕微授精で黄体期にはり治療をした場合の妊娠率について
(対象:225人)

鍼灸治療なし 13.8%
鍼灸治療あり 28.4%(+14.6%)

イギリスの医師会誌より(2008年 アメリカからの発表)

体外受精(IVF)と鍼灸治療を同時に受けた場合の妊娠率
(対象:1,336人)

鍼灸治療あり 65%

アメリカのメリーランド大医学部による研究。

なぜ鍼灸治療は妊娠力をUPさせるのか?

鍼灸治療(東洋医学)では、問診はもちろんのこと、体型や皮膚の状態、声の大きさ、脈などを通じて、その人固有の体質を把握していきます。不妊症という症状は同じでも、その原因となっている体質やカラダの状態、生活環境は人それぞれ異なるからです。

こうした視点で患者様を診ていくと、不妊症の方の場合、「虚証」、つまり本来のカラダの機能が低下して、虚弱体質になっている方が多いです。

動物は身体が衰弱したり危機的状態に陥ると、その個体の生命維持を最優先させるため、まず始めに生命維持に関係の無い生殖器から弱っていくことが分かっています。

そのため、妊娠しやすい体質を作るためには、心身の健康を取り戻すことがカギとなります。

不妊鍼灸においても、精子や卵子、生殖器だけに目を向けるのではなく、全身の健康を整えることに焦点があてられます。弱わまった生命力(気)を補うために、食事や呼吸などでカラダの外からエネルギーを取り込んだり、ツボを刺激して滞った血や水の流れを改善したりして、妊娠力をUPさせていくのです。