1.肝虚タイプの治療法
上に溜まった熱を下げ、下半身の冷えを温める治療を行っていきます。
不妊治療の世界ではしばしば「子宮を温める」という話が出てきます。ですが、実は外から熱を与えて子宮を温めるのは間違った方法です。人間のカラダは表面の体温が35.5度だとしても、深部の体温は37度位と温かくなっており、そもそも子宮を温める必要は無いからです。さらに、外から温めてしまうと、逆に自分で発熱する機能が弱まり、一層カラダが冷えてしまうことにもなりかねません。
当院では、くるぶし周辺の三陰交(さんいんこう)や太渓(たいけい)と呼ばれるツボを刺激することで、脛骨神経に働きかけていきます。脛骨神経に刺激を与えると、同じ高さにある骨盤内臓神経も同調するため、子宮の血流が上がるからです。
2.腎虚タイプの治療法
背中や腰の張りを解消したり、呼吸を深くしたりすることで、血液やリンパ液の流れを改善し、子宮の血流量を増やしていきます。
病院での不妊治療では腰背部のコリや張りを気にされることは無いと思います。ですが、背中周りの筋肉がガチガチに緊張していると、それらと繋がるお腹側の筋肉も緊張してしまいます。すると、仙骨周辺から子宮まで伸びている骨盤内臓神経が圧迫されてしまい、子宮への血流量も減ってしまうのです。ですから、鍼灸や整体などで背中や腰の張りも解消していきます。
3.脾虚タイプの治療法
胃腸が弱ると子宮にも十分な栄養が届かず、不育症などの原因となってしまいます。
現代社会では、添加物や化学調味料などにより、知らず知らずのうちに胃腸がダメージを負っています。カフェインやアルコールだけでなく、栄養ドリンクやジュース、コンビニ食やファーストフード、スナック菓子など、日々の生活に溢れかえっています。こうした食生活を続けると、胃腸の修復に栄養やエネルギーが向かってしまうため、生殖機能までそれらが届かず、体質改善も追いつかなくなってしまいます。
そのため、足の太陰脾経(たいいんひけい)にある三陰交などのツボを刺激したり、飲食の不摂生を改善したりして、胃腸の調子を整えながら、骨盤内臓神経を刺激していきます。