院長の体験談

不妊鍼灸を始めたきっかけ

こもの鍼灸院 総院長

僕が治療家になり、そして人の親になった時からずっと取り組みたいと望んでいた治療、不妊鍼灸治療。

一般的な疾患や外傷に対してある程度は対応できるようになりました。(当然まだまだ未熟で、一生勉強ですが…)

そんな僕が目指す次のステージとして、
「社会に貢献したい」
ということが有るわけですが、当然ポンと大金を寄付できる訳でもないですし、僕は鍼灸師なので、鍼灸を通じて何かしたいなとずっと考えていました。

そんな折に、僕自身が人の親になることとなりました。
結婚し、妊娠し、出産する。
正直、当たり前・普通のことだと思っていました。

しかし、実際に経験するとそれは奇跡の連続であり、とても簡単なことではありませんでした。

その過程での女性の大変さや、社会における生きづらさ、出産の壮絶さ、経済面での問題等、挙げればキリのないほどいろんなことを感じました。

そして、僕は医療に携わる人間として、子どもを授かるということについて改めて本当の意味で学ぶことになりました。

自身の不妊治療体験

「子どもが欲しい」と思った当時、僕は26歳で妻は31歳という若くもなく高齢でもない、いわば世間一般でいうところの適齢期の範囲でした。

「取り組めばすぐ出来るだろう」
教科書や授業でメカニズムを理解していたつもりの僕はそう思っていました。

ですが、半年ほど妊活に取り組んでいましたが、授かりません。
色々な情報を目にして勉強したりもしました。

たった半年ではありますが、上記のように楽天的に考えていた為、
「もしかして、授かりにくいのかな…?」
と思った時には、なんとも言えない不安が僕たちを急に襲いました。

当時住んでいた大阪の家のほど近くに、全国でも最高水準の不妊専門病院があったので、検査をしてみようと受診しました。

様々な検査があり、それを身をもって体験することで悩んでいる方々や検査・治療に臨む方々の気持ちが痛いほどわかりました。

そして、持っていたつもりだった医学知識は、全くの未知の領域とほぼ変わらないということを思い知りました。

結果、夫婦ともに目立った問題はなかったのですが、それでもなかなかすぐに良い結果が出ません…。

取り組み始めて1年弱、待望の妊娠でした。
しかし妊娠したらしたで、不安も不安で気が気じゃない生活が始まりました。
不正出血なんてあった日には心臓がバクバクしました。

なんとか安定期に入ると、今度は妻の身体の変化やしんどさのケアの難しさを身に染みて感じました。ホルモンバランスが変わり精神的な不安定などによる喧嘩も増えてきます。

いよいよ予定日が近くなると、居ても立っても居られないソワソワした気持ちが続きます。そして出産。初産だったこともあってか、丸2日陣痛に苦しんだ末、3時間の分娩という難産でした。

治療家としての無力感と、鍼灸の可能性・必要性を悟る

妊娠前から出産までの間、自分の無力さを痛感しました。
治療家として何もすることができなかった悔しさと想像を絶する女性の大変さ、強さを目の当たりにした時に、僕の中で新たな気持ちが芽生えました。

  • ・妊活中の方の不安を少しでも取り除けたら
  • ・授かる為の身体づくりのお手伝いができたら
  • ・なぜ不妊になるのだろう?
  • ・現代医学の隙間を鍼灸で埋められないだろうか?
  • ・妊娠中や出産をできるだけ楽にしてあげられないだろうか?

そして何より
「初めて自分の子どもを抱くなんとも言えないあの感動と喜び」
を多くの方に味わってもらいたい!

と心から思い、それをライフワークにできたらとても幸せだな、と漠然と思うようになりました。

加えて、日本一とも言える専門病院での治療の流れや取り組みなどを実際に体験した上で、高度な医療現場においても
検査~治療までの間には先端の医療でも意外と出来ることが少ない

ということを感じたことを契機に、これは鍼灸が埋められる部分はまだかなりあるのではないか?と考えるようになりました。

特に、医師からの指示は主には

  • ・生活の見直
  • ・運動指導
  • ・食生活
  • ・体質改善

といった内容でした。

当然、そこには確かな理論と専門的な知識があるのですが、技術はというと実際に必要となるのは人工授精から先のステップからだと思います。(もちろん検査技術や問診技術など、原因を見抜く熟練の技を要するので簡単だと考えている訳ではありません)

そう思うと、人工授精より前の段階での

  • ・患者さんと接する時間、密度
  • ・生活の見直しや運動の為の細かなヒアリングとアドバイス
  • ・体質改善の治療

においては我々鍼灸師にも貢献できる部分があるのではないか?棲み分けできれば悩んでいる方や産婦人科の負担軽減にも繋がるのではないか?
とも考えるようになりました。

そして、鍼灸であれば妊娠後や産後のケアも担えるので、妊娠や出産がゴールではなくその先も共に歩んでいけるのです。
そんな素敵な仕事、世の中にそうそうないと僕は思います。

大阪の不妊鍼灸の第一人者のもとで学ぶ

不妊鍼灸の渡辺先生と院長

そこでこの度、お休みをいただき大阪の不妊鍼灸の第一人者であるワタナベ鍼灸院さんに学びに伺いました。

渡邊先生のお人柄や理論、技術はさることながら、最も印象に残ったのは「院として治療に臨む姿勢」と「患者さんとの信頼関係づくり」でした。1日を通して、プロだな、と感じさせられる部分がとても多くすごく勉強になりました。

また、不妊治療における鍼灸師の立ち位置や先端医療との関わり方については僕が漠然と抱いていたイメージを更にハイレベルで明確にした理論を持たれていて、自分で考えているよりずっと早くそこに到達できたように思います。

ワタナベ鍼灸院さんで学んだことと今までの知識や技術を活かし、地元四日市・菰野で悩みを抱えた方々やその周りの方の笑顔やその先にある幸せな生活を見る為に力を尽くせたらと考えています。

心から「やりたい!」と思えるライフワークとして

人間、心から「これがやりたい!」と思える仕事に出会える瞬間はそうないと思います。
僕にとって不妊治療や産前産後ケア、その後の生活に張りを与える美容鍼はライフワークとして掛け値なしに取り組んで行きたい分野です!女性が幸せに過ごせる社会はとてもいい社会だと思うので(^^)

長くなってしまいましたが、これから本格的に当院が不妊治療に取り組むにあたり、僕が不妊鍼灸治療にかける想いを決意表明として綴っておきたかったのでした。

2016年 3月21日 こもの鍼灸院 総院長 新屋翼

 

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